2026-04-15

【医療機関・介護事業者のkintone地図BI活用】訪問件数・稼働率を地域別に集計して、サービス提供エリアを最適化

羽鳥 合同会社Pons 代表
羽鳥 合同会社Pons 代表

神奈川県藤沢市役所にてkintone導入担当として数々のアプリ開発を経験後、合同会社Ponsを起業。現場目線で設計されたkintoneプラグインを提供する。cybozu オフィシャルプロダクトパートナー。

「あのエリアは訪問件数が少ないが、本当に需要がないのか」

訪問診療クリニックや介護サービス事業所の管理者は、毎月このジレンマを抱えている。特定のエリアで訪問件数が少ない理由は2つある。「そのエリアに患者・利用者が少ない」か、「スタッフが足りていないのでそのエリアまで手が回らない」かだ。

どちらの理由なのかを区別できなければ、正しいアクションが取れない。前者なら他のエリアにリソースを集中すべきだし、後者ならそのエリアへの訪問を増やすためにスタッフを補充すべきだ。

しかし、「どのエリアで何件訪問しているか」を市区町村レベルで把握するには、kintoneのデータをCSVにエクスポートしてExcelで集計する必要がある。月に一度、担当者が半日かけてその作業をしているケースが多い。その間に患者・利用者の待機リストは積み上がり続ける。

高齢化が進む地域ほど、サービス空白が深刻になる

日本の高齢化は地域によってスピードが異なる。ある地方都市では急速に高齢化が進み、訪問診療・訪問介護の需要が急増している。しかしサービス提供側がその変化を把握できていなければ、需要の増加に対してサービス供給が追いつかない「サービス空白地帯」が生まれる。

「市区町村単位で、今どれだけ訪問できていて、どれだけ待機者がいるのか」——この数字が見えている事業者と見えていない事業者では、地域への貢献度がまったく異なる。

都道府県から市区町村まで、2段階で訪問件数を可視化

地図BIプラグインを使えば、kintoneの訪問記録管理アプリの一覧画面から、都道府県・市区町村別の訪問状況をボタン一つで地図集計できる。

まず都道府県レベルで全体を確認する。事業所が対応しているエリア全体での訪問件数の分布が一目でわかる。

都道府県別の訪問件数を集計したコロプレス地図。拠点から遠い都道府県の訪問件数の薄さが一目でわかり、サービス提供エリアの見直しに活用できる

次に市区町村レベルに切り替える。都市部であれば区単位で、郊外では市単位で訪問件数の差が可視化される。

市区町村別の訪問件数集計。特定の市区町村への集中と、隣接するエリアの空白が浮かび上がる。スタッフの新規採用エリアや拠点展開の判断材料になる

集計モードを「平均」に変えると、患者・利用者1名あたりの月間訪問回数の平均をエリア別に確認できる。「このエリアは月1回しか訪問できていない——もっと訪問頻度を上げるべきか」という判断を、数字で行える。

スタッフのシフト調整と拠点展開の判断に直結する

地図上の市区町村をクリックすると、そのエリアの訪問記録一覧が右パネルに表示される。担当スタッフ名、訪問日時、対象患者・利用者のIDなどが表示され(個人情報は適切な権限設定で保護)、個別のレコードに直接リンクできる。

「川崎市川崎区は件数が少ない——クリックして確認すると、担当スタッフが1名で週2〜3件しか対応できていない」という事実がわかれば、「この区に担当を1名追加する」という判断に直結する。

「今月新規登録した患者・利用者のみ」「訪問看護のみ」などの絞り込みをかけた状態での集計も、ビュー設定でそのまま引き継がれる。サービス種別ごとの地域分布を比較しながら、人員配置の最適化を議論できる。

患者・利用者情報の外部送信は一切なし

医療・介護の現場で扱う情報は、個人情報の中でも最も機密性が高いカテゴリに属する。患者の病名、介護度、住所——これらが外部に漏洩した場合の被害は深刻だ。

地図BIプラグインは、kintoneから取得したデータをブラウザ上でのみ処理する。患者・利用者情報が外部サーバーに送信されることはない。地図の描画にはPONS LLCが管理するサーバーを使用するが、個人情報はそこには含まれない。

医療機関・介護事業者に対する個人情報保護委員会のガイドラインや、厚生労働省の医療情報セキュリティガイドラインの観点からも、このデータ処理設計は適切な根拠を持つ。

「どこに届けるべきか」を地図で見える化する

地図BIプラグインは買い切りライセンスだ。月額費用は発生しない。医療・介護事業者にとって、月次の集計作業を削減する価値だけでなく、サービス空白エリアへの対応を早める価値も加わる。

訪問が少ないエリアを発見し、そこに1名スタッフを追加することで、月に数十件の訪問が可能になります。その医療・介護の届け先には、今まさに支援を待っている人がいます。データに基づいた行動が、患者・利用者への価値提供に直結する業種だからこそ、このツールの活用をお勧めします。

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