2026-04-15
【IT・SaaS企業のkintone地図BI活用】顧客契約数・ARRを都道府県別に集計。エリア別のCSM戦略を地図で設計する
解約が集中しているエリアがあるのに、誰も気づいていない
SaaS企業のカスタマーサクセスマネージャー(CSM)は毎月、チャーン(解約)と格闘している。チャーンレポートはkintoneに記録されているが、「解約が特定のエリアに集中しているかどうか」を確認するには、毎回データエクスポートが必要だ。
「先月のチャーンは12件でした」という報告で会議が終わる。12件のうち、8件が同じ都道府県に集中していたとしても、それを誰も把握していない。集中の背景には、競合の攻勢・特定のユースケースでの製品の弱さ・そのエリアのCSM担当者のキャパオーバーといった共通の原因があるかもしれない。しかし集計しなければわからない。
わかったときには、次の波の解約が既に進行している。
「頑張れ」ではなく「どこを頑張るか」を指示できない
CSMリソースは有限だ。全国の顧客を少人数のCSMで担当している場合、「どの都道府県の顧客に優先的にアプローチするか」を判断する根拠が必要だ。
契約数が多い都道府県はどこか。ARRが高い都道府県はどこか。ヘルススコアが低い顧客が集中している都道府県はどこか——これらが地図で一目でわかれば、CSMの行動優先順位を数字で指示できる。「今週は関西の顧客を優先してほしい」ではなく「大阪府のチャーンリスクスコアが今月突出しているので集中対応してほしい」という指示ができる。
ARR・チャーン件数・契約数を都道府県別に即集計
地図BIプラグインを使えば、kintoneの顧客管理・契約管理アプリの一覧画面から、都道府県別のCSM指標をボタン一つで可視化できる。
「合計」モードで顧客のARRフィールドを集計すれば、都道府県ごとのARR合計がコロプレス地図として表示される。「件数」モードに切り替えると契約数の分布が見える。「平均」モードではARR per顧客の都道府県差が明確になる。

ビューの絞り込みで「チャーン済みレコード」を絞ってから集計ボタンを押せば、チャーンが集中している都道府県が赤く浮かび上がる。「先月のチャーン12件のうち8件が神奈川県だった」という事実が、会議が始まる前に確認できている状態になる。
解約リスクが高いエリアをクリックして深掘り
地図上の都道府県をクリックすると、その都道府県の顧客レコード一覧が右パネルに展開される。企業名、ARR、ヘルススコア、担当CSM、最終コンタクト日などが表示され、個別のレコードに直接リンクできる。
「神奈川の8社——クリックして確認すると全員、過去3ヶ月間CSMからのアウトリーチが1回も記録されていない」。この事実が会議中に判明すれば、担当CSMへの即アクションが指示できる。問題の所在が「製品の競争力」ではなく「サポートの空白」だという診断が、データで下せる。
顧客の契約情報・個人情報は外部に出さない
SaaS企業が保有する顧客の契約内容、利用状況、ヘルススコアは機密情報だ。CSMが分析のためにExcelに出力したデータがSlackで共有され、PCに残り続ける運用は情報管理上の問題を孕む。
地図BIプラグインは、kintoneから取得したデータをブラウザ上でのみ処理する。顧客の契約情報が外部サーバーに送信されることはない。地図の描画にはPONS LLCが管理するサーバーを使用するが、顧客データはそこには含まれない。
SOC2認証取得やISOMS運用を行うSaaS企業の情報セキュリティポリシーに対しても、このデータ処理設計は説明可能な根拠を持つ。
CSMの「感」を「データ」に変える投資
地図BIプラグインは買い切りライセンスだ。月額費用は発生しない。チャーンリスクが高いエリアへの早期介入で1件の解約を防ぐことができれば、プラグインの購入費用は軽く回収できる計算だ。
「どこのお客様が危ないか」をCSMが感覚で把握している状態から、「どのエリアに今週集中すべきか」をデータで判断できる状態へのシフトが実現します。このアップグレードが、チャーンレート低下に向けた重要な第一歩となると考えられます。
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